魔術の恋の作品情報・感想・評価

「魔術の恋」に投稿された感想・評価

青二歳

青二歳の感想・評価

3.5
肉食系魔術師フーディーニが押せ押せで美女を口説き落としたと思ったらまさかの実家暮らし。笑
伝説の成功譚なんだが延々と夫婦のノロケを見せ付けられるほのぼの映画という。わーい。

彼のマジックについてはググってもらうとして、セルフプロデュースの大胆不敵さにはニヤニヤ。
牛乳ダバーっとか脱獄のマネっことか、訴訟やらなんやら、彼の脱出劇よりも周りの反応がアホすぎて楽しい。
邦題ださい…と思ったけど、確かに(ラブラブ)伝記映画だったから…支持します。
マジック愛好家であるオイラが、最も尊敬する19世紀の実在したマジシャン、ハリー・フーディーニの伝記映画である。

当時、結婚したばかりの大スター、トニー・カーティスとジャネット・リーの息の合った演技が楽しめる作品だ。

日本で言う寄席に似た、ボードビル・ショーの前座からスタートしたフーディーニが、世紀のマジシャンへと登り詰めるサクセス・ストーリーである。彼の舞台は止まる所を知らず、ステージからストリートへ。テムズ川に落とされた金庫からの脱出や、刑務所からの脱出と、彼の名声は、瞬く間に広まった。母親の死をきっかけに、降霊会に行くが、彼の目には、どれもこれも使い古された幼稚なトリックである事がわかってしまう。人の弱味に付け込んだ「同業者」たちを潰すべく、サイキック・ハンターとしても活躍する。概ね、彼の人生を映画化していると言える作品だ。

この他にもフーディーニを題材にした映画は、霊媒師との対決に焦点を当てた、ガイ・ピアース/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ主演『奇術師フーディーニ』などがある。また、ウッディ・アレンの『マジック・イン・ムーンライト』でも霊媒師との対決をモチーフとし、彼らしいロマンティック・コメディに仕上げている。しかし、いずれもフィクションで、一番史実に近い映画はこの『魔術の恋』である。


(以降ネタバレ)


しかし。



しかしである。



彼の最期が大きく異なり、史実に反する。映画では、彼の最も得意だった中華水牢の脱出ショーで、事故死するのだ。
この映画によって、フーディーニの死は大きく誤解されて来た。
確かに、実際のフーディーニの死は、呆気なかった。だが、なぜ、安易な事故死にしてしまったのか、疑問である。

フーディーニは、危険な脱出マジックを行う為に、普段から身体を鍛えており、水泳が好きで、アスリート顔負けの成績を残している。
ショーの最中に、鍛え上げた肉体を披露し、客に腹筋をハンマーで叩かせ、自らが不死身であると、演出していた。
ある時、彼のファンがサインを求め近付いた時、いつもの様に快く応じようとした。しかし、いきなりそのファンは、フーディーニの腹部を殴り、その後も数発の暴行を加えた。スグに犯人は取り押さえられたが、フーディーニは、そこで致命傷を負ってしまった。

犯人は、フーディーニの狂信的ファンであり、彼に影響され、ボクシング・ジムに通い、彼のように身体を鍛えていた。そして、いつかフーディーニに自分の強さを試して欲しいと望んでいた。そして、彼が油断している時に腹部に渾身のパンチを込めたのだ。

フーディーニは、医者へ行くよう勧められたが、舞台に穴は空けられぬと、痛みを堪えてその晩のショーをこなし、翌日入院した。

そして、数週間苦しみに耐え、打撲による急性虫垂炎で死亡した。

入院中、妻のエリザベスと、降霊した時に、2人だけの秘密の合言葉を決め「僕が死んだら、向こうから連絡する」と言い残した。そして、

彼の死後、エリザベスは何度も霊媒師を訪ね、彼からの連絡を待ったが、その合言葉を言う霊媒師はついに現れなかった。

彼は、霊媒師たちを潰して回ったが、心の何処かで死後の世界を信じていたのかも知れない。霊媒師を潰して回ったのは、本物を探していたからではないだろうかと、いろいろな考えが頭をよぎる。

そんな訳で、この映画のラストは、納得がいかない。オイラの尊敬する偉大な魔術師フーディーニか、マジックに失敗して死んだなんて話は認めない。彼は、中華水牢で、失敗した事はない。ただの一度もだ!ここは大事な所なので、覚えておいて頂きたい。

だが、この映画がキッカケで出会ったトニー・カーティスとジャネット・リーから、一人の女の子が産まれた。後に素晴らしい女優へと成長したジェイミー・リー・カーティスである。二人は彼女が3歳の時に離婚してしまったが、『魔術の恋』が大女優を産んだと思えば、この映画も、そんなに悪いものではない。