すずき

ブラック・サンデーのすずきのレビュー・感想・評価

ブラック・サンデー(1977年製作の映画)
3.0
1970年代、パレスチナのテロ組織「黒い九月」(実在する)のアジトは、イスラエル軍の攻撃を受けた。
イスラエル諜報部のカバコフ中佐は、その作戦で発見した女を殺し損ない、逃してしまう。
だが、彼女こそが次のテロ計画の中心人物、ダリアだった。
彼女は、自国アメリカに怨みを持つベトナム帰還兵・マイケルと手を組み、8万人の観客に湧くスーパーボウルのスタジアムでの大量殺人を企んでいた。
カバコフ中佐はアメリカへ渡り、FBIと協力しながら彼女を追う…

「ハンニバル」シリーズの原作者、トマス・ハリスのデビュー作を映画化。
イスラム系テロ組織がアメリカでテロ、しかも元はといえばアメリカ自身が蒔いた種、という設定は9.11を思い出すが、四半世紀も早くそれを予見しているのは流石。
映画では、テロリストと体制側、それぞれが主人公として並行して描かれる。今まで見た映画では「ジャッカル」に雰囲気近かったかな。
ストーリーはおおむね理解できたんだけど、私にはちょっぴり難しかった所も。カバコフ大佐はイスラエルの人だったのね、てっきりアメリカ軍人だと思ってた…「モサド」の事も知らんかったし、無学を実感しちゃうね。

2時間以上ある映画で、展開はちょっと冗長。
特に前半はタルかった。中盤、後半になるにつれて引き込まれていくけど、やっぱりクライマックスも焦らしまくっていた。
リメイクの際には、100分映画にしよう(提案)。

一番この映画で良かったのは、テロの方法及び、そのガジェット。
なんと22万発のライフル・ダーツ(フレシェット弾とも呼ばれる、実在するダーツ型の貫通力重視の弾丸)を、高度30mの低空飛行の飛空艇で、スタジアム中央から全域360°に向けて、一度に発射、8万人の観客及び関係者を皆殺し!というトンデモない計画。
まあ当然計画は阻止されるんだけど、これ絶対、阻止できずに皆殺し!の方が面白かったよね。
展開的にも衝撃だし、画的にもすんげえ光景で、きっと伝説になるぞ!
リメイクの際には、この展開にしよう(提案)。