ぽち

怒りの刑事のぽちのレビュー・感想・評価

怒りの刑事(1972年製作の映画)
3.0
元の戯曲は妻・警視・犯人との対話の三場面で成り立っているそうで、今作でもこの三人との対話に比重がある。

丁寧な造りや刑事の危うい心中を見事に描き出しているところとか見事ではあるのだが、正直映画としてはあまりに地味で退屈。

シドニー監督の演出とコネリーの役者としての魅力でランクアップしているが、普通なら見所は少ない。コネリーがボンドのイメージを払拭しようとしていた時期で、この作品を演じたかった気持ちは分かるが、全体としては物足りないものとなっているのが残念。
ベタではあるが「実は犯人は刑事だった」ぐらいのオチが欲しいところだ。

「心の中で幾多の犯罪を自分に置き換えてリプレイしている」という所を前面に出して、レクター教授シリーズぐらいゴアシーン満載でリメイクすれば面白そう。

暴力的なちょっと壊れた刑事を演じても、どこかにダンディズムを感じてしまうコネリーが魅力的な作品。
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