プリンス

コックファイターのプリンスのレビュー・感想・評価

コックファイター(1974年製作の映画)
3.0
ジャケ買いした我が家の不良在庫。年内に最低でもあと2本、供養しなければなりません。わたくし、何故か弟子入りする勢いで、制作ロジャーコーマン率の高さが尋常でないのであります。
説得は長与千種からしか受け付けておりません。プリンスです。

さて、今回の作品は
大コケ映画、
「コックファイター!」

モンテヘルマン、、この監督は、わたくし、どうも相性が良く無いのでありますが、どうにかレビューにこぎつけました。
ウォーレンオーツ扮するフランクとゆう闘鶏キチガイのオッサンのなんとまあ、小さな小さなストーリー。敵役にハリーディーンスタントン扮するジャック。川谷拓三と室田日出夫で映画を撮ったような、絶望的な華の無さ!これだけでもう眠いのに、遡る事2年前。ジャックに闘鶏で負けた際に、言われた訳ですよ。オマエは軽口が多すぎるから負けるんだ。と。
あっそ!そんなら、もう一切喋らねーし!優勝するまで口きかねーし!!と、ダンマリを決め込む訳ですよ。この、あまり意味があるとは思えない消音設定がもう命取り。高倉健ですら、不器用だと言い訳してますからね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・脚に武器を付けたニワトリが血みどろになって殺し合う映像、バサバサバサッ!コッコッコッコ!!バサバサバサッ!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
マネージャーを雇って、各地の闘鶏大会で、多分勝ち上がって行っているフランク
・・・・・・・・・・・・・・・バサバサッ!!コッコッコッコッ!!コケーーッ!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つ、つまらない!!
オ、オイッ!!頼むから何か言ってくれっ!!人の声が聞きたいわ!!

これ、モンテヘルマンの悪い癖ですよ。「断絶」でも、異常なまでにセリフが無かったし。
顔を洗って、タイガーバームを目の周りに塗布しまして、何回も良い所探しにチャレンジしたわけですよ。
いや、きっと闘鶏のシーンが見どころなんでしょう。狂った様にツツキ合うニワトリ、血しぶき!フライドチキンを食いながら金を掛ける観客!なかなかにスゴイ映像なんです。しかし、所詮ニワトリ。これ、一応映画ですから!画的に全く伸びが無い訳ですよ。
死んだらアッサリゴミ箱にポイっと捨てたりなんかして。
動物愛護?そんなの知らねーし!負けた鶏?そんなの食っちまうし!!オマエらだって、バカみたいにクリスマスにチキン食うだろ!?と、言わんばかりの、確かに命の授業ではある訳です。それを更にHDニューマスターで・・・お、おもしろくない、、、

そして2年間、一言も口を聞かずに闘鶏ばかりやってたせいで、観ているわたくしだけでなく、恋人にもいよいよ呆れられまして。別の男と婚約したとの報告が!ちょ、ちょっと待ってヨ!一度でいいから大会に来て、俺の熱い生き様を見届けて欲しいのよ!と伝える訳ですよ。あ、手紙でね。喋らないから。
見事、そこそこにローカルな大会で、いつもそこら辺に居るジャックを破り優勝するフランク。20人位しか居ない観客席に、あっ!!彼女来てたっ!!!
ようやく、ここからです!!
血みどろな鶏が殺し合い、白眼を剥いて絶命する有様を見せられて、下衆の極みと罵声を浴びせまくる彼女!!こんなサイテーな所に2度と来るかボケッ!!
そ、そこまで言わなくても、、、
しかし何を思ったか、優勝した鶏の首を引っこ抜いて彼女に渡すフランク!!苦し紛れのユーモアか?どうゆう事だ!
まだ怒りが収まらない彼女、、アンタは優勝メダルを抱いてりゃいーわ。それで老後の寂しさも少しは紛れるでしょ!!と、立ち去る彼女。ヒ、ヒドイ事言うわぁ。。わたくしなら、三日は枕を濡らしますよ。
ところが、ここでのウォーレンオーツの顔芸が絶妙であります!!
泣いてるような、微笑んでるような、まぶしいのか、しょっぱいのか、何かを思い出したのか!
考え得る、ありとあらゆる全ての感情をミックスした、どうにでも取れる地蔵の様な表情っ!ナイス!
どうした?と、マネージャーに声をかけられまして、二年ぶりの待ちに待ったウォーレンオーツのボリュームON!!

「彼女、俺の事が好きだってさ」

ここで、ズッコケてる貴方。まだまだ若い!!
誰も傷つけない様に丸く納めるには、そんなバカ言うしかないでしょーに!!絶妙な各方面への心配りと哀愁のTHE ENDでありました。
あ、またネタバレしちゃった。
ゴメンネ!

配役・・1点
演出・・0点
おっぱい・・2点
安眠・・4点
気づかい・・4点

観なくても、皆様の人生に何ら影響はありません。
でわまた!
プリンス

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