ユースケ

裏切りのサーカスのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

裏切りのサーカス(2011年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

英国情報局秘密情報部MI6(通称サーカス)に浸入したソ連国家保安委員会KGBの二重スパイ(通称もぐら)を探し出せ。
元・スパイのジョン・ル・カレによるスパイ小説【ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ】を映画化した本作は、1970年代前半の東西冷戦時代、第二次世界大戦が終わり旬を過ぎた世知辛いスパイの世界を生きた男たちの友情と裏切りを描いたスパイ映画の傑作。

みどころは、感情を押し殺し、老スパイの哀愁と老獪さを見事に体現したゲイリー・オールドマンをはじめ、コリン・ファース、マーク・ストロング、ジョン・ハートなど、加齢臭漂う激シブな俳優陣による演技のアンサンブル。
トム・ハーディやベネディクト・カンバーバッチなど、活きのいい若手の演技もお見逃しなく。

とにかく、Julio Iglesiasの【La Mer】に乗せて、疑心暗鬼が蔓延する灰色の世界を生きた男たちの姿が映し出されるラストシーンは鳥肌もの。
最愛の友を暗殺し涙を流すマーク・ストロングと最愛の友に暗殺され血の涙を流すコリン・ファース、戻らない愛する女を待ち続けるトム・ハーディと戻らない愛する時代を思い続けるキャシー・バーク、目と目で作戦の成功を称え合うゲイリー・オールドマンとベネディクト・カンバーバッチ、そして、曲の終わりと同時にサーカスのリーダーの席に着くゲイリー・オールドマン。ラストシーンだけで満点です。

ちなみに、劇中で描かれるロマンスの4組中2組が同性愛って…最高。