髙橋佑弥

二重結婚者の髙橋佑弥のレビュー・感想・評価

二重結婚者(1953年製作の映画)
3.5
再見(例によって全然覚えておらず)。
"重婚"を断罪するでなく、「出会ってしまった/好きになってしまった」事故的な"悲劇"として描くあたりが出色(変わらず妻を愛しているがゆえに)。ルピノとのロマンスパートが多幸であるほどに、比例して引き裂かれるような良心の呵責も増大するのがうまい。全編通して割と叙情的だが、ラストだけはドライ。決断は留保されたまま、裁判が終わり、男が去るのみ。なにも解決には向かわない。

ルピノの映画、"長距離移動"が多い気がする。

2020/10/10
髙橋佑弥

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