TAK44マグナム

ターミネーター2/特別編のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ターミネーター2/特別編(1993年製作の映画)
4.9
言わずと知れた名作「ターミネーター2」の未公開シーンを付け足した拡張特別版を鑑賞。

劇場公開当時、ターミネータークラブなるものに入会?したので会員証を貰った記憶があるのですが、どこへいってしまったやら。
その日本公開から、もう幾度となく鑑賞している劇場公開版でしたが、ブルーレイで特別版が発売され、それのバージョン2.0シンプル版を購入し、さらに後から発売されたアルティメットエディションも中身はそれほど変わらないのに購入してしまったのでした。
そして封を開けることなく時は過ぎ、ようやく今日になって、この傑作を子供にみせるために開封、はじめて拡張特別編を観た次第です。

特別編は、カイル・リースの幻想が登場するシーンと、T800の頭部に収められたチップを取り出すシーンが付け加えられています。
カイルのシーンは、単純にマイケル・ビーンが出てくるサービスとしてアリだし、サラがカイルを愛し続けていることがよくわかります。
また、チップ取り出しシーンは特殊メイクがものすごく良く出来ているのに加えて、機械でも人間とは有機体か無機体かの違いでしかないのではと思える重要なシーンではないでしょうか。

他に、拡張版ならではの未公開シーンがあって、ひとつはT1000がジョンの部屋を探索するシーン。
探索の仕方が、変なふうに手のひらで物をなぞってゆく感じなのが不気味ですね。
必要ないと言えばテンポを崩さないためにカットしても全く気にならないシーンではありますが、ジョンの部屋の様子が知れるし、T1000のキャラクター性に厚みを与えてくれます。
もうひとつはエンディングのロングバージョンでして、なんと未来のシーンです。
年老いたサラが、公園で娘と遊ぶジョンを眺めながらエンディングに流れるメッセージをボイスメモするのですが、マット画の未来風景や周囲の人々の未来的センス(苦笑)の服装がいまとなってはちょっと笑えてしまうのはご愛嬌。
未来的フリスビーで遊んでいる人もいたりしますよ。
老女となったサラは特殊メイクでリンダ・ハミルトンを変身させております。
劇場公開版のエンディングが淡白だと感じる向きには良いかもしれませんが、個人的には尺が長くて蛇足ととれるような気がします。
ただ、キャメロンとしては完璧に「ターミネーター」という作品を終わらせたくて、より念入りなエンディングを用意していた、という事なのかもしれません。

特別編だと150分を超える長尺になってしまうので、やはり削ぎ落とされた劇場公開版がとっつきやすいですけれど、観る状況しだいでどのバージョンを鑑賞するのか決めるのも良いでしょう。

ちなみに、はじめて観た子供は、「なんて映画を観てしまったんだ」と興奮してました(苦笑)。
そりゃ、おまえの父親がはじめて「ターミネーター」を観た時と同じ衝撃なんだよ(笑)。


セル・ブルーレイにて