こたつむり

プッシーキャッツのこたつむりのレビュー・感想・評価

プッシーキャッツ(2001年製作の映画)
4.0
「自分らしさを捨ててはいけないんだよ」

いやぁ。これは掘り出し物でした!
正直なところ《ヴァレリー》を演じるロザリオ・ドーソン姐さん目当てだったのですが、それを忘れるほどに前のめりになる物語と音楽。日本では劇場未公開だったそうですが、それは勿体無い話でしたね。

ただ、ノリは邦画のようなコメディ。
しかも、地上波で放映している“コント”のような部分も散見されます(ヅラとメイクと入れ歯と…なんてノリですよ)。だから「よーし、洋画を観るぞー」なんてスタンスは禁物。生温かい目で観る必要があります。

でも、それを理解した上で。
笑いのツボがピタリとハマれば「うはははははっ」と笑えて、胸がキュンとなる素敵な作品なのです。幸運なことに僕はドンピシャでした。物語冒頭のアイドル《デジュー》の登場からして、顔が崩れまくりでしたよ。うははっ。楽しい!

あと、ガールズバンドの物語ですからね。
当然のように音楽にも気合が入っています(噂によると、女優さんたちは実際に演奏できるまで鍛えられたとか)。これも好みが顕著に表れる部分ですが、鑑賞後にサントラが欲しくなるレベル。というか、何故にアマゾンで取り扱っていないのか。ふんぎふんぎ。

そして、素敵なアクセントとして。
主人公たちの《マネージャー》を演じているのがアラン・カミングというのもポイント。彼の胡散臭くてキュートな笑顔は必見ですよ。あと『スクリーム3』で印象的だったパーカー・ポージーも味がある存在感。終盤の展開は…うは。マジですか。楽しい!

まあ、そんなわけで。
対象年齢としては若者がメインターゲットだと思いますが、時にはこんな作品も楽しいものですね。あ。そういえば、スタッフロールまで楽しめる映画…というのも邦画っぽいですよ。うん。雰囲気が良い現場というのは、ハリウッドも日本も変わらない…と分かる瞬間です。

そして、最後に。
真面目な部分を言えば、一応、サブリミナル効果について描いた物語でもありました。だからなのか、僕も『スペースチャンネル5PART2』というゲームがプレイしたくなりましたよ。

踊りで勝負よ!
アップ、アップ、
ダウン、ダウン、
チュー、チュー、チュー!
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