takanoひねもすのたり

ルームズ・フォー・ツーリストのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

3.5
アルゼンチンのホラー監督、アドリアンガルシアボクリアーノの長編デビュー作。
作品に着手したのは19歳、4年かけて23歳でこれを完成。
荒削りだけど彼のセンスが垣間見みえるカットに編集…この若さでなんて恐ろしい子…アドリアン…!!!(©姫川亜弓)

内容は田舎怖いホラーで、悪魔のいけにえ系。
都心へ行く電車を逃し、ど田舎で途方に暮れる訳あり女子5人。
そこへ彼女達を一晩泊めてくれるという人物が現れ、連れて行かれた屋敷で、案の定、殺人鬼に襲われるスラッシャーホラー。

コントラストをくっきりさせたモノクロの映像は、多分諸々の粗さをカバーさせる又は余計な物を極力排除する狙いだったんじゃないかと思いますが、
これが思いの外に効果的で、全体に漂う厭な感じ、どうにも信用ならない善意の人達の表情の陰影、血のどろり感、鉈でブッた斬られる肉の切断の質感などがいい感じに。

ふはーふはー息の荒い殺人鬼は、上半身裸で、顔にはややジャストフィットめの袋が。
目穴も息つぎの穴も無いので恐らく視界が狭く、女子のひとりに横から刺されたり、ガゴン!とパイプに頭打ったり、背後を取られ斤で頭割られたりと、ドジっ子なところがポイント高し。

偶然出会った5人の女子に、それぞれ後ろ暗い目的があったとか、田舎町の策略とか、最後のとどめの厭オチとか、脚本の捻りも良く最後まで飽きずに楽しく観れた。

アルゼンチンの田舎も怖いですねぇ。