このレビューはネタバレを含みます
「ジャンクヘッド」の堀監督イチオシの本作。これは押さえねばと鑑賞しました!
思っていた2倍脱力系のSF。
かなり緊迫した状況のはずなのに、主人公二人がどことなくユルイのが良いですね。
独自の言語、「クー!」「キュー!」も真似したくなるし、カルト的な人気が出るのは納得だなぁ。「ジャンクヘッド」と同じく、ここでしか観れない世界を築いている作品だと思います。
あと、ラストでおじさんとゲデバンが「クー!」で記憶を取り戻すのはなんか凄く良かったです。比較するもんじゃないけど、某新海作品の感動を彷彿とさせるような。
しかし、作中に溢れた比喩やアイロニーについては、僕の教養が足りずに汲みきれていない部分が多い印象です。
馬鹿げた身分制度とか、人間の本質とか、社会の在り方とか、そういうのが散りばめられてるんだろうけど。そこに感銘を受けるというよりは、普通に可愛いな〜と観てしまいました。
調べてみると、この映画はソ連時代の厳しい検閲を乗り越えるために、こんな作風になってるみたいですね。
こんなユルユルの作品の奥に、それほど真面目な意図があるとは。映画って深いなぁ。