かやの

ピーター・パンのかやののレビュー・感想・評価

ピーター・パン(1953年製作の映画)
3.5
こういうとアレなんですが、ディズニー作品の中で一番「ジブリ味」を感じるのはピーターパンだなぁと思います。
宮崎駿が自分の作品のキャラクターに自身を投影し、女性キャラクターに母親を演じさせるのと同じように、ピーターパンもまたウォルトとウォルトの母&祖母(=母性)を強く感じる作品です。

白雪姫、アリスと並びピーターパンはウォルトがこどものころよくおばあちゃんに読み聞かせられたおとぎ話の一つだそうです。
厳格な父が仕切る家庭で、お母さんだけはウォルトの天真爛漫でおちゃらけた性格、いたずらや冗談などの行動を受け入れてくれた〜みたいなことを『創造の狂気 ウォルトディズニー』で読みました。

言わずもがな、母はウェンディ、ピーターパンはウォルト自身です。大人になりたくないウェンディが、ピーターパンと過ごした後大人になることを決意する、というのは感慨深い。
さらに言えば、ウェンディをのぞく子どもたちがみな男の子である点も面白い。女性はいつか大人になる、母になるんだというメッセージだろうか?なんか恋愛くすぶってたんかウォルト?笑
すべてを受け入れてくれるウェンディに自分の母親を押し付けつつ、自分はネバーランドでぬくぬくしたいってか?笑

ダーリング家にもウォルトの生い立ちが強く影響されている気がします。普通に考えたら、冒頭とエンディングの両親が出てくるシーンはあんなに尺いらないはず。ピーターパンとの冒険だけでめいっぱい時間使う方が物語らしくなる。けど、そこはあえて執拗に「大人になれ」と詰め寄る父、そして夢見るこどもを尊重してくれる母を描きたかったんだろうな。
かやの

かやの