かやの

哀れなるものたちのかやののネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

祝・主演女優賞🏆!
エマストーンの演技の素晴らしさは皆ご承知おきの通りで、ベラというキャラクターが本当に魅力的で愛おしく、2時間半夢中で鑑賞できました。ウィリアムデフォーもマークラファロも本当によかった…。

女王陛下のお気に入りよりも主題がヨルゴス&エマにフィットしたんでしょうか。また2人のタッグが実現するといいなと思います。

お話で私が気になっているのは【母性の不在】ということです。
もしこのお話をありふれたものに仕上げるなら、ゴッドはベラに母性を持つことを期待する。そしてベラは自分の身体が妊娠したこと、母親になる予定だったことについて思いを馳せる。男性たちはベラに母性を求め、慰めてもらおうとするなど。
また、物語の中にお母さんや妻といった話は出てきません。ゴッドに妻はおらず、父の話はすれど母の話はしない。

フェミニズムと母性は相性が良いやら悪いやらって感じで…女性を女性たらしめるものの一つに母性があると思いますが、女性を解放するという点では、女性が母性から切り離された存在として認知・成長していくというのは非常に自然でかつ新しいストーリーだなと感じました。
そう考えていくと、ラストがさらに面白い。結局ベラは、自分の解釈する母性の発散はしていると思うんです。自分の好きな人たちを自分の城に住まわせ、養い、家族を構成する👩‍👩‍👧‍👧。これは立派なお母さんだと思うんです。でもベラはおそらく、これは自分の母性に由来するものだとは思っていない。女性が女性性に解放された存在として生きるとき、母性は先天的ではなく後天的に身につくものだから…。(両親が娘に赤ちゃんの人形やおままごとを与えたり「他人に優しくしてえらいね」と声かけすることがなければ女の子は母親をなぞらえることが褒められるべきことだと理解しない、みたいなやつに近いですね)

長くなっちゃいましたが、自分が女性として当たり前に抱えているものをすべて身ぐるみ剥がされたような映画で、これこそがフェミニズムの最先端だなと実感しました。オンナ最高〜!🫰🫰🫰🫰笑
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