風のイタズラでプリーツスカートがめくれ上がる。恥じらいの仕草。一刻も早くこの状況をなんとかしなくちゃならないんだけど、鞄が引っ掛かってどうにも出来ない。いやらしい風、はだけるスカート、あわや露見してしまいそうになるほど、とにかく風がしつこい。
なんだこれは
これが、定年過ぎてスカート履いたジジイ(失礼)の身に起きて良い出来事なのだろうか!
いや良くない!!
断じて良くない!!
今年最後の消えた死体は、アガサ・クリスティー原作の『パディントン発4時50分』をおフランス風にコメディタッチに仕上げてみたような作品。
開始早々あっという間に消えてしまう死体。暇をもて余した奥様にとって、それは刺激的で最高に楽しい暇潰しになるのだった。いいのか?それで?
事件にもならないその死体を求めて奥様は独自調査を開始する。しかも意外にゆっくりと。そんなに呑気でホントにいいの?
いいんです。
だって暇だから。
やがて捜査線上に浮かび上がって来たのはのはオオカミが巣食う怪しい館。想像力豊かな奥様は一計を案じる。
メリーポピンズ大作戦
発動!!
ムリがあるよなあ。でもフランスだからこのくらいが丁度いいんです。消えた死体の行方も早々に見つかりますが、謎はまだ残ったままに
そしてついに第二第三の事件が起きる
土くれで出来たオオカミたちに、クリスマスの雪が静かに降り積もる…
デフォ1点+以下それぞれ1点で
①趣向
死体が隠されていた場所は良かった。消え方は豪快。でも趣向は、凝らされて無かったなぁ…う~ん。
[0.5]
②背景
オオカミの谷の屋敷の長女役を演じたのがキアラ・マストロヤンニ。何人か出てくる弟役のうちの一人をクリスチャン・バディムが演じている。この二人、実の姉弟で映画初共演。共にカトリーヌ・ドヌーブの子供たちなんだそうな。へえ
[0.8]
③意外性
なんていうか、サスペンスよりも奥様の暇潰し感が全面に押し出されてて、それが意外でした。フランスの男性って相手の年齢関係ないんですね。理性とか無いんだ。意外ではなかったけど。
[0.8]
④美しさ
隠された場所は満点でした。しかし、死体の美学は感じられませんでした。至って普通かな。
[0.5]
実にほのぼのとした殺人事件だったなぁ。