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13回の新月のある年にのatsukiのレビュー・感想・評価

13回の新月のある年に(1978年製作の映画)
4.0
人生は素晴らしい。ただ居場所がない。求めるものも、求められるものも、全てを失ってしまったら、なす術もなく破滅してしまうのだろう。アルミン・マイアーの自殺がどれほどの要因を齎したのかは分からないけど、ファスビンダーの夭折も含めて、もはや「死」こそが最期のないものねだりなのかもしれない。或いはブレッソンの言葉を用いて言うように「死を受け入れることで、自分の生を生きるチャンスがより多く生まれる」と。リチャード・リンクレイターがオールタイムベストの一本に挙げてるのが頷けるように、エルヴィラの悲痛な回顧を吐露する台詞があまりにも辛いし、また邂逅はするものの、全てが手遅れになってしまってはどうすることもできない。個人的に退屈に感じてしまったのは、単純に人生経験の話で、また15年後くらいに見返したい。
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