ピンフまんがん

ヒッチコックのゆすりのピンフまんがんのレビュー・感想・評価

ヒッチコックのゆすり(1929年製作の映画)
3.7
恐喝とかいて「ゆすり」と、このセンスがすでに素晴らしい。
本編はイギリス発のトーキーという事で、実はトーキー版とサイレント版があるらしく、トーキー仕様に焼き直しをしているようなのですが、何と言ってもカメラワークのテクニックがいろいろと凄い。後にサスペンスの神様と言われる背景がよく解るような見応え十分の作品で、観衆の煽り方が既に手慣れているのがわかります。ナイフの恐怖感を煽る演出や、美術館逃亡のロープを降りるときの隣の銅像など、伝説的シーンも数多い。ただしやっぱり今の基準では古い映像だし、クラシックというフィルターを加味してみないと純粋に面白いとはいえないけど。とはいえこの作品ですでにヒッチコックの世界観が完成されているのが印象的だった。毎度のことながら、映画の楽しさや奥深さというものをいつもヒッチコック作品から教えられているような気がします。
御本人様登場シーンは、今回は子供にちょっかい出されて困惑する""演技""が堪能できます。
Amazonプライムも、たまにはいい仕事をします。なにげにクラシック作品はわりと多いような気がしますね。