レオピン

ヒッチコックのゆすりのレオピンのレビュー・感想・評価

ヒッチコックのゆすり(1929年製作の映画)
-
これ、トーキー版とサイレント版があるらしいが今回見たのは最初の8分ぐらいサイレントだった。 

展開がものすごく遅い。わざとだろうか。愚鈍剤を飲まされたのか。

アリスの人はアニー・オンドラというドイツ女優。英語がまったくダメで現場で別の女優が直接声をアテたそう。着てる服がちょっと日本風でかわいい。
刑事のフランクは彼女の罪を知っていたがかばう。自首をしにきた彼女は電話に救われた。

見るべきシーンは、あの前科者の恐喝に入るところ。
さながらジョジョ第四部に出てくる小林玉美の「ザ・ロック」のよう。紳士的な装いで近づき決してこれはゆすりなんかではないんだがと言い訳しながらゆする。あのふてぶてしさ。もしかしたら荒木先生は玉美の造形に役立てているかもしれない。
弱みにつけこむ舌なめずりが聞こえてきそう。あのカウンターへのもたれかかり方とか。
あー君ね この店で一番高い葉巻きはあるかね

逆転されるときの掌返しまでセットでの小者感。もうどこまでも下手に出ていた w

撮影はトーキー移行間もない1928年から29年
大英博物館に逃げ込むアクションシーン
シュフタン・プロセスと呼ばれる合成を使った撮影、画家の口元にシャンデリアの影で髭を重ねた実験撮影も

音の使い方
外の汽笛のような音とアリスが朝帰りした時の小鳥の鳴き声

オチはまったく無難なものに変えられてしまったそうだが、強請りだけで1本撮ってしまったことにうなっちゃう。
レオピン

レオピン