Yukiko

わが街 セントルイスのYukikoのレビュー・感想・評価

わが街 セントルイス(1993年製作の映画)
4.0
2020年3月10日
『わが街、セントルイス』  1993年制作
監督、スティーヴン・ソダーバーグ。
この監督さんの『ローガン・ラッキー』を観てみたいと
思う。

1933年、ミズーリ州セントルイス。
アメリカの中央付近、少し東寄り、ミズーリ州とイリノイ州の
州境に位置するセントルイス。
アーロン(ジェシー・ブラッドフォード)は12歳。
両親と弟と一緒に安ホテルのエンパイア・ホテルに住む。
仕事で父は他の州へ時計の営業に行き、母は病気で療養所へ。
弟は親戚に預けられ、アーロンは一人ホテルに取り残される。
が、家賃は支払っていず滞納、父が置いて行ったお金は
わずか。間もなく卒業式を控え、服もない。
安ホテルに住む人々は、アーロンに対して優しかったが、
一人一人とそのホテルからいなくなる。
ある人は引っ越し、自殺した人もいたり、警官に捕まったり、
家賃が払えずに追い出されたり。
アーロンは一人でそのホテルに住むには相談する人も
次第にいなくなって、お金も無くなって、食べる物もなく
なって12歳で厳しい現実に立ち向かうアーロン……


A・E・ホッチナーの回想録『僕たちの戦争』を原作と
している。

父も必死で時計の営業をして、職探しをしたのだと思う。
だからこその明るい未来?かな。
いや、アーロンの機転のおかげだね→郵便。
ラスト、住む家を建てれば良いのにと思ったけれど。

でも、安ホテルの滞納分は返さないと。
そこの支配人の立場に立ったら、支配人だってお仕事
なんだし。
ホテルマンのベンだって仕事でやっているんだし。

警官はなんだかねぇ。
アーロンに対しても街人に対してもキツイこと!
やり過ぎに見えますが。

兄貴分のレスター(エイドリアン・ブロディ)は、とても
面倒見の良い人なんだけど、病気の母を抱えて、生きる為に
必死。なんでも仕事にしているような。
アーロンに対して優しかったね。いい兄貴💛
エイドリアン・ブロディさんが若い!!!
20歳の時の作品です。

アーロンが車を運転する場面は観ていてハラハラ。
どうなることかと気を揉んだ。

胸が詰まる話だ。大変な時代だったのね。
皆が生きていくために必死!!

ジェシー・ブラッドフォードさんが14歳の頃の作品。
今は40歳です。

この映画の背景のアメリカの大恐慌について下記。
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世界恐慌 1929年に始まった世界大恐慌。
アメリカでは・・・
1932年後半から1933年春にかけてが恐慌の底辺であり、
1933年のGDPは1919年から45%減少し、
株価は80%以上下落し、工業生産は平均で1/3以上低落、
1200万人に達する失業者を生み出し、
失業率は25%に達した。
閉鎖された銀行は1万行に及び、1933年2月にはとうとう
全銀行が業務を停止した。
家を失い木切れで作った掘っ立て集落に住む人が増え、
路上生活者が増え、
景気が底を打って、クローズド・エンド型と呼ばれた。
民主党のフランクリン・ルーズヴェルトは、修正資本主義に
基づいたニューディール政策を掲げ、
1932年の選挙に当選し大統領となった。
ルーズベルトは公約通りテネシー川流域開発公社を設立、
更に農業調整法や全国産業復興法を制定した。
1934年にルーズベルト政権はGDP10.7%まで引き上げた。
(以上、Wikipedia「世界恐慌」の項目から転記)
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