SatoEmiko

メゾン ある娼館の記憶のSatoEmikoのレビュー・感想・評価

メゾン ある娼館の記憶(2011年製作の映画)
4.5
20世紀初頭パリの高級娼館に生きる美しくも儚い女たちの物語。
妊娠、性病、暴力と常に危険に身を晒しながら、いつか自分たちを縛る娼館から飛び出す日を夢見て、暗がりの中その一番美しい時期を男たちに捧げる彼女たち。束の間のピクニックで太陽の光の下はしゃぎ回る普通の少女のような昼の顔とのコントラストがいつまでも切なさを残す。
時代の流れに逆らえず、閉館に追いやられてしまう娼館。自分たちを縛り続けてきた娼館が亡き後の、この自由な現代でもまた、道端に立ち自らの身を売り続けるしかない、見えない鎖に縛られた運命が悲しい。
過酷な境遇を背負う彼女たちを包む煌びやかなドレスのように、切ない物語を彩る絵画のような美しい映像と音楽がとても印象的な映画でした。
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