映画のルックとしては『乱』のダイナミズムに『レッド・クリフ』のケレン味を加えたような感じなのだが、史実に基づいた話なので、政治的な要素もあって結構地味。しかし、要所要所でキャラクターたちが「でも、やるんだよ」的なキラーラインを残してくれるし、あまりのリアルさに3.11を思い出してしまうかもしれないとカットされてしまった水責めシーンなど(もう今となってはディレクターズカット版でもいいから長尺で観たい)、今、この時代にこういう映画ができるのか!という感動がある。キャストも豪華で野村萬斎は狂言師であることをいかんなく発揮。オープニングがなぜか『仁義なき戦い』風、ストップモーション。