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ぼくたちのムッシュ・ラザールのslowのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

モントリオールの小学校である朝、クラスで担任を務める女性教師が、教室で亡くなって発見された。学校は動揺する生徒のケアや、各所への対応に追われる。
そして後任の問題にも頭を抱えていたが、1人の男がふらりとその学校にやって来た。男の名前はバシール・ラザール。ラザールは半ば強引に自らを売り込み、見事に教員として採用されることになったのだった。

本作は謎解き映画ではないので、何故?の答えが次々と出てくるわけではない。観終わって結局わからないまま、だったり。
しかしそれでいいと思える。現実には誰にだって分かり得ないことはあるし、話したくないことだってある。そういうリアルさがこの映画にはあった。

ラザール自身問題を抱えた人間であり、彼を色眼鏡で見る大人も世間にはいるだろう。
でも子供達には先入観が無く、一個の人間として接している。そうして打ち解けた双方の信頼関係がとても温かく、なかなか重い話でありながら、最期の優しい余韻が清々しい作品だった。良作。
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