slow

ロスト・エリア 真実と幻の出逢う森のslowのレビュー・感想・評価

-
あの星はとうの昔に消滅していて、ここから望むひかりは、もう存在しないものの過去とわたしとの果てしない距離だ。時間は存在しない。もし、わたしにも残せるものがあるとするなら、せいぜいその光跡にあたる何か、なのだろう。始めからそこにあって、もうずっと終わっている感覚。ゆっくりと穏やかな語り口も、まるでプラネタリウムを眺めているような日々にも、違和感はない。だから、生前、話していたことに、死後、別の意味を持たせるような、妙な真似もしなくていい。出会いも、友情も、裏切りも、冒涜も、あまりある人生の途には付き物だけれど、全てはそこにあった、と言ってのけるあなたのことを、涙なしでは受け止め切れない。
slow

slow