このレビューはネタバレを含みます
ウォシャウスキー姉弟のクラウドラブ六重走
原作デヴィッドミッチェル。製作、脚本ウォシャウスキー姉弟。トムティクバ、アンディー・ラナウォシャウスキー監督。PG12指定。
仮想なワールドウォー三部作をつくり、イナバウワー銃弾よけは、なかば、映像サブリミナル現象として素晴らしいインパクトを与えたSFアクション「マトリックス」三部作で一躍巨万なビッグサーガを作り出したウォシャウスキー姉弟。
なかず静かに終わった漫画映画化「スピードレーサー」で隠れ日本びいきをだしつつ、
最新作がなんと、トムハンクス、ハルベリーにペドゥナという荒すぎるキャスティング。どうやら、SF、原作難解ベストセラーらしい。
トムハンクスとペドゥナ、ハルベリーのミックスだけでもう、かなりオッケイな感じ。だってどんなか、想像が全くつきません(わくわく)レビューも賛否ぱっくり割れてます。
チラシからは、さながら「未来世紀ブラジル」の「イントレランス」版かな?とか妄想しながらも、いちはやくワーナー系劇場にかけつけました。
感動巨編なんていうもんじゃありません。
だってわかり難い、不親切な六話平行ストーリーでございます。
最初の30分くらいで乗れないともう、苦痛でしょうがない感じだと思います。
物語は、ややこしいので、先入観無しで見てもらいたいので割愛。
わかりずらい
長い
誰がだれやら
どの時制がだれやら
大味まとめとか
一人何役をもっと別な俳優がやったら
とか
ヒューグランドいる?とか
そいうのを差し引いたととしても、
この映画の魅力はまず、先が「全く」読めない、これが本当に素晴らしい。
SF映画の好条件が整ってますね。
本当に二、三分に一回すぐクラウドアトラス六重走な話の場面転換が
がんがんがんがんがんがん と
ばんばんばんばんばんばん と
次々に襲ってきます。さながらノーランの「インセプション」の三重お話のよう。「インセプ」見れる方なら、大丈夫です。
もうその襲い方が、もうね、長いし、かなりのおなか一杯感ですよ。ひとつの映画だけど、なんか二、三本ぶん見ている感じがしました。
というか、ウォシャウスキー姉弟が、もう好きな事をやっぱりやりきっているのが、とっても伝わってきましたね。そこが、もう素晴らしかったです。
さながら
黒澤明「夢」のような
コッポラの「ワンフロムハート」のような
フェリー二の「81/2」のような
ヴェンダースの「夢の果てまで」のような(本作が一番ニュアンス的に一番近い。ヴェンダースの多国籍エスエフ)
一人の映画監督が、たどり着いて予算の許す限り、本当にやりたい映像を撮る、デレクションする映画の系譜に見えます。別名「じこまん」映画なのかもしれません。
とにかく、見ている間の迫りくる 危機危機 つぎつぎつぎつぎが、はんぱなくて
見てる間くびの後ろが、難解も何回もぞわーってなりました。
二時間越えあたしからの「マトリックス2,3」で魅せるウォシャウスキー姉弟の
真実をめぐる話
輪廻転生
繰り返す罪
人間愛
戦争
「ラブパワー」
人類愛的なお話
民族、宗教、人種オールニーズラブ的
主題のラブメッセージが 炸裂してまいります。
このウォシャウスキー姉弟の人間愛みたいな感じは、すんごい好きでして。「マトリックスレヴォリューション」でも感じたあの愛の感じを強力に電波受け取った感じがありました。
ぺドゥナのつぶやく詩にくやしいかな、鼻汁がでるほど、よだれがでるほど泣いてしまいました。
もう二、三回みたいなー。
トムハンクスもハルベリーも何で出てるんだろうというのも、みて、大方納得しました。
こんな、複雑で、アクションこなせて、めんどくさい役というのもあるのかなと、、、。勝手な妄想。
ナイーブそうなベンウィショー。共同監督のトムティクバ監督の「パフューム」から出てきた方なんですね。とってもセンシティブな感じが良かったです。
あと音楽も超良かった。こちらもトム監督のトム組系列なんですね。
とにかくウォシャウスキー姉弟の
ラブアンドヘイト六重走に心は、眠って、開いて、涙した新感覚のSFでございました。
さて
ウォシャウスキー姉弟のクラウドイントレアトラス
ウォシャウスキー姉弟のクラウドラブ六重走
ぜひSFファン、マトリックスファン、トムハンクスファン
必見ですよ。
失敗作?いやいや素晴らしい冒険作としておすすめいたします。
いまだに物語整理ぜんぜんついていませんがね、、、。