「右」という言葉を説明できるか?
そんなセリフから始まるもんだから、思わず自分だったらどうやって説明するかなーとマジに考えてしまい、そこから少しの間映画に集中できず…(TдT)
大体正解だったのがせめてもの救い。
そんなわけで本作は辞書を作る人たちの話。
新しく制作する辞書は「大渡海」という。
話はまるで辞書のように地味に…もとい粛々と進んでいくし、主人公も辞書作りが似合いそうな真面目くん(名前も馬締(マジメ))。
だから松田龍平や宮崎あおい、オダギリジョーが好きなだけで、面白おかしく派手めな作品が好きな人は合わないかも。
ただ、辞書じゃなくても本読むのが好きな人はこの雰囲気嫌いじゃないハズ。そういう意味では本作はこんな映画ですよーって映画始まってすぐ教えてくれるスタートの切り方はとっても親切。
その後は、
【序盤】
マジメくんが辞書編集部に異動。上司にも感化され辞書にハマる。
【中盤】
かぐやとの出会い、恋することで仕事に手がつかなくなるけど辞書制作が中止になりそうになり、マジメくん恋も仕事もガンバる。
【後半】
時が経ち、マジメくん、辞書編集部、新辞書はどうなったか。。
といった感じで進むのだが、これがジワジワ面白くなってくる。
辞書制作という一本の芯はブレることなく、部署異動その他エピソードも随所に絡み、意外に飽きさせることなく観させてくれる。
地味な仕事でも頑張ろうとも思えたし。
また、本作観てたら、いま自分が使っている「言葉」についても考えさせられた。
劇中では「ら抜き言葉」や「憮然」、「やばい」など例を用いて、現代語の特徴を伝えてくれているけど、いかにいまの言葉に誤用が多いことか。
そして、誤用が誤用でなくなっていくのも現代語の特徴のひとつ。
前述の「やばい」もその代表。
(自分の語彙が乏しくなりそうで出来るだけ使わないようにもしているけど、肯定否定その他諸々汎用性ありすぎてたまに使ってしまう)
相手に気持ちを伝えるための言葉だけど、そんな大事な言葉を間違って使っていること多いんだろうな〜。
「言葉の海は果てしなく広い。辞書とはその大海に浮かぶ一艘の船」
出演者的な話だと、松田龍平は本作のような真面目一徹な役も似合うけど、彼の独特な雰囲気はサイコキラーも似合いそうだなと思って観ていた笑
宮崎あおいの板前さん姿には違和感しかないし、演技も満足とは言えないけど、それはともかく、こんな可愛い子にお相手がいないうえにマジメくんのことも悪く思っていないってキセキか!(性格ゆがみまくり)
そして、相変わらずオダギリジョーは安定感ある演技と色気で魅せてくれる。
この俳優さんはさりげなく格好いいんだよな〜。
電話で子供と話す時の可愛い言葉も格好いいwww
【加筆】
実家で母が急に前述の「右ってどうやって説明する」って話を始めたからびっくりした。
どうやら最近教会の説教で聞いたらしい。
2018.1.2