太田祥世

舟を編むの太田祥世のレビュー・感想・評価

舟を編む(2013年製作の映画)
4.3
【映画感想】言葉という海原を渡る船を見守る、言葉以上の優しさを感じたい方へ

『船を編む』

出版社の辞書編集部で
辞書「大渡海」完成の物語。

その年月。。13年。

13年間ひたすら言葉を集めて
語釈をつけていく。。


コミュ障で、暗くて、無口。
でも。言葉に対する情熱だけは計り知れない主人公、馬締(まじめ)

そんな真面目を絵に描いたような人を支えた
女性の板前。妻「かぐや」

それぞれの道を極めんとし、互いを支え、尊重する。。。

13年という年月は、重く。

企画自体がなくなるのを、自分を犠牲にして阻止した同僚の西岡や

自ら病に侵され、とうとう「大渡海」の完成が間に合わなかった
辞書部編集長。

また、その背中を生涯支えた妻の姿。


みんなが。。。。
「大渡海」を支えていた。


「言葉」という大海原を
「辞書」という船が渡っていく。

その船を編むのが、編集者。。


こんなに言葉を大切にしているのに。

そこには。言葉以上の何かがあって。
あたたかい。。。



「右を説明できますか??」という問いに

「西を向いた時の北」という答え。

「恋」とは?「ダサい」とは?

そんな、辞書ならではの会話が
とても面白かった。

改めて。。日本語に触れることができた気がする。
太田祥世

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