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レ・ミゼラブルのtoriten45のレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)
3.5
「民衆の歌」を聞くと心が奮い立つのです。王政打倒のために蜂起した市民が大勢で合唱する歌。それ以外にもミュージカル『レ・ミゼラブル』の歌には増幅された感情が胸に直撃してくるパワーを感じます。例えばコゼットの母が歌う「夢やぶれて」や、エポニーヌの哀歌「オン・マイ・オウン」などもそう。

不朽の名作ミュージカル『レ・ミゼラブル』を映画化したのが本作。ほぼ全編が歌で構成されていて最初は面食らってしまいましたがすぐに慣れました。

そもそもあまりにも有名過ぎるこのストーリーが最初から最後まで胸を締め続けてきます。ジャン・バルジャンと警部ジャベールの確執や、孤児コゼットとの深いきずな。マリウスとコゼットとエポニーヌの三角関係。歌と共にいろんな切ない気持ちを呼び起こすエピソードが交差していきますが、根底にあるのは罪を犯したジャン・ヴァルジャンが改心して真っ当な人間になるために生涯をささげようとする物語。

キャストも豪華。

ヒュー・ジャックマン(ジャン・バルジャン)
ラッセル・クロウ(ジャベール)
アン・ハサウェイ(ファンティーヌ)
エディ・レッドメイン(マリウス)

…といったトップ俳優陣がメインを張り、彼らが披露する渾身の歌が本作の見どころ聞きどころ。

ヒュー・ジャックマンの歌声は、さすがトニー賞受賞俳優だけあって安定してますね。

エディ・レッドメインは思っていた以上に歌声にハリがあって新たな魅力を発見した気分にさせてくれます。

アン・ハサウェイの歌声は、感情極まって音外れるとこ含めて心の揺れを細やかに表現していながら力強さも感じられて素晴らしかったです。

それと低い声のイメージがあるラッセル・クロウが思った以上に高い声で歌っていたのが少し苦しそうで可笑しかったかな。

やはり集結した市民が全員で歌い上げる「民衆の歌」が一番刺さりますね。仕事の前に聞いておくと生産性が倍増することでしょう。
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