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夜ごとの美女のSPNminacoのレビュー・感想・評価

夜ごとの美女(1952年製作の映画)
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街の騒音や人々の喧騒に悩まされるしがない音楽教師が、夢の中へ逃避。そこでは夜ごと美しいオペラと美女が待っている。いや、音楽か美女かどっちかにしろや!
タイムトラベル要素もあるファンタジーで、美男ジェラール・フィリップがコミカルに演じコスプレもサービス。うんざりする現実から書き割り背景の夢世界へ、サラリと時代を飛び越える場面転換がいい。落下アクションからそのまま繋がる垂直移動ショットの滑らかさ!夢の中で紗がかかったように淡い背景も、どういう仕掛けなんだろ。
やがて夢と現実がごちゃ混ぜになり、大勢を巻き込んでどんどんナンセンスに加速していく展開がまたすごい。夢だからこのくらいやらないとね。声が消えたり、あの騒音が賑やかに合奏したり、音の出し入れと夢の出入りをリズミカルにスピード感たっぷりに畳み掛ける、すべてがオペレッタ喜劇!
そもそも理想と現実は、実は紙一重。夢はちゃんと正夢に。当時のフランス映画のパワーというべきか、それこそ「いい時代」だったのかな…
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