チッコーネ

大魔術師Xのダブル・トリックのチッコーネのレビュー・感想・評価

3.5
お正月向けに香港のエンタメ精神が炸裂した作品で、香港の大スター、トニー・レオン/ラウ・チンワンと、大陸出身のスター、ジョウ・シュンの競演が豪華。
三人の三角関係描写が全編を貫くが、脚本の決着の付け方は非常に大人で、香港作品!という感じ。

CGを多用しているであろう魔術場面は理屈抜きに楽しいが、トニーは折り目正しい身のこなしで、画面に品格を与えている。
しかし彼の容姿はそれなりに劣化気味…、近年は二枚目半だったラウの方が、ふくよかな熟年の色気を漂わせているようだ。

エキストラたちの衣装が本格的で、特に清朝時代の民族衣装は目に楽しい。
ワイヤーなどのアクションは香港のお家芸だが(クレジットにはツイ・ハークの名も)、近年の欧米映画の演出法も、貪欲に消化しているのが伝わってきた。