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君と歩く世界のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

君と歩く世界(2012年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

両足を失った女性と格闘家のシングルファザーの恋愛を描いた作品。

タイトルやポスターを見るに、純愛モノになるのかと思いきや、意外にも湿っぽさはなし。
というのも、主人公の男性が非常に野生的というか、動物的な男なので、繊細な心理描写みたいなものがないんですね。

両足を失った女性に対しても、デリカシーなしでグイグイ行動する。
でも、それが逆に荒療治になったみたいで、女性を元気にしてしまうのが本作の面白いところなのでしょう。

ただ、終盤にある息子を置いて逃げるシーンは酷いなと思ったし、その後に息子を救うシーンがあるとはいえ、もうちょっと父親としての成長を描いて欲しかったかなと。
姉や恋人に対する贖罪も大して描かれないので、かなりモヤモヤが残りました。

あとは、有害な男性性や暴力性、ないしは不器用な男の愛といったところは、『ディーパンの闘い』とも共通するテーマで、興味深いなと思ったり。
もしかしたら、これがジャック・オーディアール監督の作家性なのかもしれません。
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