このレビューはネタバレを含みます
キャサリンビグローのアフター911
アカデミー音響賞(編集)受賞。脚本、監督キャサリンビグロー。
アメリカ映画における女性映画監督。
恋愛映画からお料理研究家の映画を撮りあげ、お亡くなりになってしまったノーラエフロン。
ノーラ亡き今、オスカー受賞の女性監督としてまさしくトップランナーになっちゃった
キャサリンビグロー。
人気俳優キアヌリーブスを迎えて作った波打ち際の潜入捜査「ハートブルー」
女性警官のブルーで奇妙なデカ物語「ブルースチール」
私は今日も戦場へ爆弾を処理に行く。出演のジェミリーレナーは、売れ線になり、オスカーでまさしく爆裂した「ハートロッカー」
未見ですが、前の夫で3Dの立役者ジェームズキャメロン製作のあまり有名でないSF「ストレンジデイズ」
ニュースから今度は、「911」のウサマビィンラディンを射止めたお話しを描いたとかなんとか?!また「タイムリー」な話題にいったなぁと思いつつ、
「いつからこんな社会派だっけ?」
と思いながらも、蓋を開けるとオスカーノミネート。
ビンラディンが亡くなった軌跡が一人の女性だった的な触れ込み。チラシを見つつ、「もう解決したからええやん」と至極興味がわかなかったんですが、
寡作な作家テレンスマリック監督の超自然的家族間物語「ツリーオブライフ」で透明感ある女性を演じたジェシカチャステイン。出演ジェシカチャンスティンのオスカーノミネートからみる気が上がっていきました。
最終レイトショー。ほぼ貸切状態のなか鑑賞してまいりました。
中盤まで非常に良かったんです。
冷静
時系列的出来事の冷ややかな出来事
先の見えないジェロニモ(通称「ゼロダークサーティ」)作戦
ジェシカチャンスティンの最初静かで段々険しくなる表情の素晴らしさ等々。
中盤ジェシカが詰め寄ったシーンは、まるで可愛いチワワが猛烈に噛みついているようでした。
上とのやりとり
容赦ない拷問とそのプロセス(これはスゴい。リアルだからある意味米の酷さ満開。)
ですが、私の興ざめポイントは、
最終局面においてなんだかダダ長い銃撃戦が展開。
これを
リアル
淡々とした感じ
と好意的な評ありますが、私はこれまで見てきたキャサリンビグローの映画に共通して見られる所、
やたらに「長い」描写が出てしまったと判断。
「ハートブルー」のスローモーションな波乗りシーン
「ブルースチール」の最終地点の落ちの下り
「ハートロッカー」の爆破シーンのスロー
などなどあるんです。キャサリンビグロー。キャサリンは、映画が好きな監督じゃなくて、なんか頭で撮っている方に見えます。想像をイメージするんじゃなくて、想像を字で言語化するのが得意な映画監督という気がします。
やっちまったオスカーが逃げたのはここかな?とすら思ってしまいました。
なんでラストもそれらしいんですが、中盤までの良い流れを落ちで主役での感情移入を放り投げられた感じがしました。
しかしジェシカチャンスティンの険しく空しい感じは、充分伝わりました。
キャサリンスローもなく良いかなと思いつつもどこかおかしな着地点になり、中盤までのジェシカチャンスティンのやるせなさの未消化な気持ちがそのままアメリカの受けたやるせなさなんかな?と感じたしだいでありました。
さて
キャサリンビグローが描くアフターナインワンワン
ぜひ!
追伸
キャサリン本当にシドニールメット並みの社会派になってきましたね。私は、女性刑事もの、女性バディムービーとか娯楽監督にまた戻って欲しい気持ちが勝手にしてます。「ハートブルー」の頃のように、、、。