エイデン

コリドーのエイデンのレビュー・感想・評価

コリドー(2010年製作の映画)
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1996年
変わり者の母ポーリンに育てられた16歳の青年タイラーは、1人クローゼットに隠れていた
家は荒らされ、クローゼットにの前にはポーリンが死んでいた
意識がないはずの母の声が頭に響き渡り、タイラーはただ混乱していた
そこへ駆けつけたタイラーの親友であるクリスとエヴ、ボブの3人は、母のように接してくれていたポーリンの変わり果てた姿に唖然とし急いでタイラーを探すが、クローゼットから現れたタイラーは様子がおかしく、ナイフを手に襲いかかってくる
振り下ろしたナイフはクリスの手に突き刺さりながらも、何とか3人はタイラーを取り押さえるのだった
原因不明の謎の事件から十数年
30歳になり、事件以降 精神病院に入院していたタイラーはようやく退院を果たす
それを聞きつけた3人は、改めてポーリンの葬式を兼ねて集まろうと声をかけるのだった
雪深い森の近くにあるタイラーの家へとスノーモービルでやって来た一行は、久々の再会に喜び、嫌味なく接してくれる3人にタイラーも安堵していた
集まってくれた3人に礼を述べたタイラーは、母の遺灰を手に1人スノーモービルで森へと向かう
開けた無線塔の下で母との思い出を振り返りながら遺灰を撒いたタイラーは、ふと目の前に光の屈折でできたような もやがあることに気づく
幻覚症状があったタイラーは薬が切れたのかと考えていると、今度は鼻血が出始める
すると光のもやはタイラーを包み込むように動き出し、怖くなったタイラーは急いで家へと帰るのだった
タイラーを迎え、思い思いの時間を楽しむが、誤って彼がマグカップを割ると血相を変えて3人が駆けつけ、未だに過去の確執が存在していることを痛感する
しかしそれぞれに思いや悩みを持つ3人も、タイラーを受け入れようと努力していた
全員が寝静まった頃、タイラーはもう一度あの もやを見に森へと向かう
やはりそこには もやが存在し、タイラーは薬の影響では無いと確信する
更に もやに触れ鼻血を出すタイラーの目の前にポーリンの姿が現れ・・・



カナダ産SFサスペンス

あらすじ読んで『クロニクル』的なやつかと思ったらそうでもなかった
ド派手なサイキックバトルが展開されるわけでもなく心理面を丁寧に描いたサスペンス描写がメイン

過去の事件がもたらした空白の時間
それを振り払うように友情を確かめ合う一行
とここまでは綺麗な話だけど、そこで止まらない性格の悪さがこの映画のミソ

それこそがタイトルにもあるコリドー
神秘的に登場する光のもやと同時に、実はもう一つの意味を持つダブルミーニングだとわかってくる
そもコリドー(corridor)とは廊下とか回廊みたいな意味で、部屋と部屋とを繋ぐことから、おそらく人と人との繋がりを表す意味で用いられている
光のもやから始まった不思議な出来事を通して一行が繋がり、表面的な友情ではわからなかった わだかまりや苦しみが露わになっていくというのが本筋

心が露わになっていくにつれて、友情にヒビが入り、確執は形となっていく悲劇
更にエッセンス的に我慢できなかったのか、直接のスリラーにまでなったりして、サイコサスペンスに収まらないゲボい展開が待ち受けるという

心情も丁寧でラスト間際のスリラー展開も良くできてて、インディーズながら色々と楽しめる
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