エイデン

オクトパスの神秘: 海の賢者は語るのエイデンのレビュー・感想・評価

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仕事で精神的に疲れ切ったドキュメンタリー映画製作者のクレイグ・フォスター
追い詰められた彼は、かつてのドキュメンタリー製作で訪れたアフリカや自然と共に生きるカラハリ族のことを思い出し、療養を兼ねて現地で過ごすことを決める
1年後、南アフリカ、西ケープ
ケルプの生い茂る美しい海で素潜りのダイビングを行うようになったクレイグは、久々にカメラを手に取り、海の生き物を撮影するようになる
そんなある日、ケルプの森を探索していたクレイグは、貝殻が密集したような奇妙なものを発見
その正体は貝殻を身体にまとわせた1匹のタコだった
そのタコに興味を抱いたクレイグは、以来 そのタコに密着して撮影をするようになり、1人1匹の間には奇妙な絆が生まれていく



アカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞したドキュメンタリー映画

傷ついた1人の男が出会ったのは1匹のタコだった
という監督とタコの生涯と交流の日々を記録した作品

何か警戒心無く懐きまくってるタコに癒され、過酷な自然を生きる姿にハラハラする
タコにメロメロなフォスター氏の目線から、たくましい生命をドラマチックに描くことに成功している

そして普通に人懐っこいタコが可愛い
逃げないどころか自分から寄ってきて触れ合いもするし、メロメロになるのもわかる
そんな小さな命に降り掛かる試練も様々あって、思わず応援したくなる
対してフォスター氏もタコに恋しながら、むやみやたらに介入する訳でもなく、一定の距離感を保って干渉しすぎないようにしてるのも個人的には好感を持った

また生命の神秘を描き出しつつ、タコを通して自然と人間の絆も表現しているのが良い
自然やそこで生きる生命の美しさ、その中で生きる人として襟を正したくなるような良質なドキュメンタリー作品になってるので観ましょう
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