エイデン

ドミノのエイデンのネタバレレビュー・内容・結末

ドミノ(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

刑事のロークは、過去のある出来事を思い返していたところを、カウンセラーに声を掛けられて我に帰る
ロークは3年前、7歳の娘ミニーと共に公園に出掛けていたところ、一瞬目を離した隙にその姿を見失ってしまう
誘拐犯は捕まったものの、彼は錯乱して自分が何をしたのかも忘れてしまっており、以来ミニーは行方不明となってしまっていたのだ
妻とも別居状態となり、心に傷を抱えながら仕事に打ち込んでいたロークは、セラピーを終えると仕事の相棒ニックスと合流
ニックスはロークに匿名の通報があったことを告げる
通報者の女性は今日 銀行の貸金庫に強盗が入ると主張しており、貸金庫の1つを奪い去るという同様の事件が続いていたことから悪戯とは判断できず捜査に向かうこととなったのだ
早速 銀行付近で周辺の監視カメラ映像を確認していくロークは、ベンチに腰掛ける謎の男に目を向ける
その男はベンチに座った女性に声を掛けた後、銀行の警備員に不可解な言葉を投げ掛けていた
それが暗号による合図と推理したロークは、謎の男と警備員が組んで強盗を行うと予測
1人 先回りして銀行に入ったロークは、通報者が言っていた貸金庫を確保するが、その中に入っていたのは、なんと「ロブ・デルレーンを見つけろ」というメモと、消えた娘ミニーの写真だった
不可解なミニーの失踪事件との関連を疑う中、先程の警備員が現れロークは銃撃を受ける
ロークは防弾チョッキを着ていたため無事だったが、貸金庫を奪われてしまう
その頃 謎の男に声を掛けられたベンチの女性は我を失った様子で道路に出て事故を起こしており、辺りは騒然としていた
そこへ警備員と、謎の男の対応をした銀行員が協力して車で逃走するが、同じく事故に巻き込まれる
そこへ謎の男が現れ、警備員や銀行員を置き去りにして車に爆弾を仕掛け、爆発を囮にして貸金庫を奪い逃げていく
その様子を目撃したロークは謎の男を追い、ついに建物の屋上へと追い詰める
追ってきた同僚の刑事達もそこへ現れるが、何故か刑事達は謎の男の一言でロークに銃を向けるのだった
ロークは謎の男こそがメモにあったデルレーンであり、人を操る力を持っていることに気付く
ロークは警備員に貸金庫を奪われる前に中身を取り出していたため、デルレーンは出し抜かれたことを自覚するが、そのまま建物から飛び降りて姿を消してしまう
その後、ロークはニックスから匿名の通報者の情報を得る
不可解な事件の全貌とミニーの手掛かりを掴むべく、ロークはその通報者であるダイアナと出会う
ダイアナは占いなどを生業にしている霊能者で、その昔 “機関(ディビジョン)”と呼ばれる政府の秘密組織に所属していた
そこで訓練を受けたダイアナやデルレーンは、人の脳に侵入しその認識世界を変えてしまうことで意のままに他人を操る、強力な催眠能力者“ヒプノティック”なのだと言う
デルレーンはその中でも最強クラスのヒプノティックであり、ある目的のために貸金庫の中身を探していた
それを知ったロークとダイアナは、執拗にデルレーンに追われ始めるが・・・



ロバート・ロドリゲス監督、脚本のサスペンス・アクション映画

心に傷を負った刑事が遭遇する奇妙な事件が巨大な陰謀に繋がっていく
日本版の予告ではわからないけど、原題の『Hypnotic』の通り、物語の鍵を握るのは超人的な催眠能力
人を操るだけでなく、その人の世界の認識をも変えてしまうヒプノティックにより、信用できない語り手ならぬ、信用できない世界が描き出されている

真新しい映像は無いものの、独特な設定で二転三転するストーリーやまとまりがある
サスペンスからSFじみた設定、アクションまでストーリーが進むにつれてジャンルが拡大していくような面白さや、ヒプノティック同士による裏のかきあいも満足できる

ただロバート・ロドリゲスが2002年から温めていた作品ということもあるのか、設定が面白いけどシンプルな構造やスピード感、雰囲気が、どこか00年代の古めかしさを感じる
『マトリックス』シリーズの成功とかVFX技術の向上もあって、当時ちょこちょこ観られた『ペイチェック 消された記憶』、『デジャヴ』みたいな、ややインディーズっぽさを感じるSFサスペンスに近い臭いがするような気がする
それ自体が悪いことでは決して無いんだけど、同時にそうした映画の持つ不完全燃焼感も再現されてる

こう言ってしまうと何だけど、主演にベン・アフレック、ヒロインにアリシー・ブラガ、敵役にウィリアム・フィクナーというナイスな配役もあって勝手にハードルを上げていたけど、インディーズ映画の延長として観れば十分楽しめる出来
傑出した何かがあるわけではないけど、平均点は超えてるかなという印象ではあるので観ましょう
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