ひでG

かぐや姫の物語のひでGのレビュー・感想・評価

かぐや姫の物語(2013年製作の映画)
4.4
なぜだろう?なぜこんな気持ちになったんだろ?
途中から心底から持っていかれた、というか、例えば、歯医者での治療中、神経に触ると「ピッ!」と痛みが走るよね。
心にも奥の方に神経のように鋭く反応する部分があって、知識とか上層部じゃない場所に直接語りかけられたような感じ。
名称高畑勲が何年振りかに監督する題材が「かぐや姫?」多くの方がそう思ったことだろう。
それからあの「絵」アニメではなく絵がどうなんだろ?て不安や?を持った人も多くいたはず。
でも、それらは全くの杞憂だったこと。
いや。かぐや姫だからいい!
あの絵だからいい!
あの絵が動き、命をもらい、命の息吹きとして私たち観客の命そのものに訴えかけてくれた。
書いていても、非常に感覚的であると自分でも思う。
でも、この映画が大好きな人にはきっと伝わるはずだ。
逆にダメな人にはダメだろう。現に一緒に観に行った妻は、感涙している私を見て、余計にぽかんとしていた。
この映画は、評価がはっきり分かれる映画である。細かいところをもう一度見直したいと思ってるが、好きが変わってくのがちょっと怖くて、まだ再見していない。

かぐや姫が走り出す幾つかのシーンの風。
姫の涙、生きながら生きることをつかめない無力感。私たちは姫の幸せだけを願っているのにと、途方にくれる翁たち。
この絵だから、この絵の空白の部分に観る側は想像を、想いを付け足し、膨らませる、豊かにしていく。
描いく側と観る側の共同作業のように。
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