Yuki

偽りなき者のYukiのレビュー・感想・評価

偽りなき者(2012年製作の映画)
4.2

はい。大好き。
『光のほうへ』とこの作品を見て、そして『アナザーラウンド』のあらすじを見て、この監督のファンになりました。

思うけど、アカデミー賞はもはや「外国語(国際)映画賞」が1番好き。毎年ノミネート作品も受賞作品も作品賞より見てるし、好き。

すんごい見てて辛くなるけど。これはほんまにいい映画。傷口に塩塗りたくったような映画。

何がいいかというと
①悪夢に悪夢を重ねる容赦ないストーリー
②時代の流れを鑑みない鋭い切り口
③余韻(ここ大事)

こういう信念が伝わる映画が評価されてほしいと思う。正しさとは何なのか。正義とは何なのか。閉鎖的な環境も存分に伝わる。

日頃から重ねる、些細な嘘。
それが呼ぶ悪夢の連鎖。自分のことしか考えないクララ、、、。
「クソガキ」と感じる人もいるそうだが、これは完全に周りの大人が悪いと私は思う。園長も、両親も、日頃からクララに目を向けていたら、耳を傾けていたら、こんな嘘をつくはずがないと思う。ついてしまっても、すぐに撤回するはず。あとちゃんと見分けられるはず。嘘をついた時だけ優しくされて、心配してくれる。そういう環境によってクララは嘘をつく子になったんだと思う。

嘘をついたらダメって叱ることもない環境が、、

☆疑問点
村の人たちはルーカス1人を痛めつけさえしたら解決すると思っているのだろうか。もしそうなら思考停止しすぎでは。私はどこか彼らから後ろめたさとか、ストレスとかいったものを感じる。「悪」を成敗することによって、自分たちが「正しい」と暗示をかけているような。
そんな気がした。
いくら近所の人が性犯罪のようなひどいことをしても、被害に遭ったわけでもない周囲がその人に暴力を振るったり、ペットを殺したり、、、誰が見ても酷いというような犯罪をするだろうか。

他の方のレビューも興味深い。久しぶりにおすすめ映画。

私は最後のシーン、錯覚(PTSDのような感じ)かと思ったのですが、、解説を見たら違うらしい、、?
Yuki

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