監督がバーカーじゃないという理由でなんとなくこれまで観ていなかった私は割と正しかったな。
映画には雰囲気って大事よね…。
幻想的な雰囲気から大きく舵をきった本作。
「フランケンフッカー」あたりを想起したのは私だけだろうか？
なんか、血飛沫シーンがやたらと即物的な感じがあった。
彫刻となったピンヘッド達がクラブオーナーの兄ちゃんにつけ込んで復活するのはよいのだが、彼の業がさほど深くなくて小物感が否めない。
ベトナム戦争で亡くなった父を持つ主人公のテレビレポーターは、父を亡くす悪夢を経由して変身前ピンヘッドのエリオットと繋がる。
あれだけカッコ良かったピンヘッドに幻想性が無くなってしまった印象。
トラウマにつけ込むなど人間の弱さにセノバイトが直結する面白いアプローチもあるだけに、ホラーキャラクターとして面白がられたかのような位置付けがなんだかもったいない。
バーでの大量虐殺から産まれた新キャラ達はユニークではある。
また、ピンヘッドが教会を破壊し自ら聖痕を作り十字架を真似るシーンは素晴らしかった。
悪魔という単語はこれまでも出てきたけど、キリスト教を対比させてこなかっただけに印象的であった。
良いとこはあるのだけど、なんだか安っぽくなってしまったなあという印象の方が強い。
