OASIS

カレ・ブランのOASISのレビュー・感想・評価

カレ・ブラン(2011年製作の映画)
3.3
徹底的に管理される近未来の世界。
「社畜」にあらずは人にあらず。
人ならざるものは食肉に加工されて食卓に出されるというディストピアSF。

一応SFなのだが、近未来的な装置やツールは全く出てこない。
あるのは灰色に覆われた空で、荒廃した高層マンションやビルが画一的に立ち並ぶ異様な世界。
ブラック企業ここにありといった感じで、入社試験で自分から望んで袋に入った男がメッタ打ちにされて殺されてしまうという、上司の命令には絶対服従な企業。
世界観だけで突き進んでいて、肝心な説明がほとんど削ぎ落とされているような「感覚」で楽しむ事が大事な内容であると思った。
ジョージ・ルーカスの「THXー1138」が好きな人はハマれそうである。
徹底管理された人類が行き着くのは無味乾燥で味気の無いディストピアなのか、それとも「THX-1138」のように、感情だけは残ったピュアなラブストーリーの世界なのかは分からない。
OASIS

OASIS