行動の残忍さよりも、思考の壊れ具合に、恐怖を感じ、それが実際にあった事件だと思うと、それこそ映画なのか何なのか、よく分からない感覚になる。
犯人たちはもちろん悪なのだが、その他の一般の人々にも少なからず悪がある。一見、正義の塊のような主人公にも悪があり、自分でそれには気付けていなかったり、逃げたりしている。
ピエールとリリーさんの好演。この二人は悪役ながらもキラキラ光るので、内容の割にそこまで暗くはならず、エンタメとして楽しめるものにしていると感じた。
お互いに壊れていく主人公と妻だが、母親がいなくなっても、恐らく仲が良くなるわけではないと感じ、母親の認知症に終始スポットが当たっていた事が少し?だった。