普通に生きていれば、まずは自分の身の回りの事が1番となり、難しい社会の事は後回しになる。暮らしの為のお金が必要で、家族の事が何よりも大切。時にそれが冷たいとか無関心に見えることもあるが、当たり前の事ではある。
運転手も記者も、まずは自分の事が1番、自分の仕事をやりたかっただけだと思うのだが、お互いがそれを越えて、損得ではないところに行く。正義や感動というのは、いつもそういうところにしかいないような気がする。
冒頭の穏やかな雰囲気から、徐々に不穏な場所へ引き摺り込まれていくのが、独特の没入感があった。
正義と悪をきっちりはっきりと分けて描く事で、メッセージに強度が出ている。
かわいい旧車のタクシーたちがボロボロになってになっていくのが、なんともかわいそうだった。