つかれぐま

ビフォア・ミッドナイトのつかれぐまのレビュー・感想・評価

ビフォア・ミッドナイト(2013年製作の映画)
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【〇〇があれば大丈夫】

やはりと言うべきか、既に結婚25年の自分には 3作中最も本作が刺さった。公式コピーの「本物の愛にたどり着く」という感じじゃないけど、なぜか救われた思いに。

自分事で恥ずかしながら、私たち夫婦もゲンカが絶えなかった。自分の両親がほとんどケンカをしなかったので、免疫がなかった自分にはそれが辛く、幾度となく「論理的に」改善などを試みたものだ。だがそこに絶対の正解がある訳はなく、病気治療にたとえれば、病巣を特定し特効薬で叩くなど無理。結局は対症療法しかないのだ。そんな過程を100分に凝縮した本作が「ケンカに明け暮れた」自分の25年を、ほくそ笑んで肯定してくれた気分に。

この3部作。自分は今回が初見でイッキミしたが、18年掛けて並走した観客にはさぞや感慨深かったろうな。完結編の本作は恋愛映画というよりも夫婦映画。根本的な解決には至らない着地には激しく同意で、まれに一卵性?みたいな仲良し夫婦もいるが、それが人間同士=もっと言えば、血のつながらない他人同士だよと救われた思いに。