カタパル

スプリング・ブレイカーズのカタパルのレビュー・感想・評価

スプリング・ブレイカーズ(2012年製作の映画)
3.7
ハーモニー・コリン監督は19歳の時に『KIDS/キッズ』の脚本を書いてから一貫して「ファックド・アップ(どうしようもない奴ら)」の立場で映画を作ります。今回は女子大生四人組(セレーナ・ゴメス/ヴァネッサ・ハジェンズ/アシュレイ・ベンソン/レイチェル・コリン)が春休み(スプリング・ブレイク)に自分探しの旅に出る話。半分以上はパリピのパーティー映像です。

ハーモニー・コリン監督作品なので当然ながら「ファックド・アップ」な奴らしか出てきません。女子大生四人組は程度の差はあれ頭のおかしいビッチで、春休みの旅費ほしさにダイナーで強盗を行ってお金を盗みます。

旅行先のマイアミでドラッグパーティー現場を警察に押さえられて勾留されます。釈放してもらうには保釈金を出すしかないけど、パリピのビッチたちにはそんなお金すでにありません。そして法廷で四人を見ていたギャングのエイリアン(ジェームズ・フランコ)が保釈金を払って四人を出してあげます。そうやってギャングとビッチたちの奇妙な共同生活がはじまります。

ハーモニー・コリン監督は「ファックド・アップ」を描きますが、必ずしも肯定的に描いているわけではありません(批判的でもない)。それはロングショットを多用して一歩引いた客観的な視線からもわかります。説教くさくもならず、ありのままを描きます。

アメリカのパーティーってこんな派手なの?あそこまでおっぱいはたくさんポロポロ出しませんが、大体あんな感じです。特に大学生はそうですね。一線を超えてしまえばギャングスターと変わらない。そして、その境界線は非常に曖昧です。はっきりとした境界線は拳銃と殺人くらいなものです。セックスとドラッグは両方にあるのだから。「ファックド・アップ」かどうかはその境界線を超えてしまうかどうか。

一般的にはあまり評価が高くない作品です。馬鹿なパリピの肯定映画に映るかもしれません。しかし、ハーモニー・コリン監督が一貫して何を描く監督なのかを理解した上で、そのメッセージを読み解こうとするとなかなかいい映画です。