回想シーンでご飯3杯いける

モンスターズ・ユニバーシティの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

4.0
「モンスターズ・インク」の名コンビ、マイクとサリーが友情を築くまでの様子を描いた前日譚。

モンスターの世界に「モンスターズ・ユニバーシティ」という大学があり、怖がらせ屋を育成する「怖がらせ学部」が存在する。学内には部活の他にフラタニティ(寮)毎の派閥がある。この辺の描写は、アメリカの大学生、特にアメフトの強豪校辺りの様子に近く、前作でモンスターがエネルギー会社で働いているという設定と同じぐらいユニーク。音楽も前作のジャズに代わって、体育会系文化と関係の深いマーチング風でアレンジされている。

ストーリー的にはフラタニティ同士の対立と、ユニークな「怖がらせ大会」の様子を中心に進むが、とある事実が発覚した事から、マイクとサリーの内面にある葛藤の話に移行する。実はそこに至るまで、マイクとサリーのどこが名コンビなのか全然分からなかったのだが、前作(つまり時系列的には未来)に繋がる終盤の脚本が素晴らしく、最大の見所になっている。

大人も楽しめるピクサー作品を象徴するような、楽しさと深さが共存する作品である。