Mikiyoshi1986

まぼろしの市街戦のMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)
4.3
本日11月26日はフランス映画界を牽引した名監督フィリップ・ド・ブロカの没後12周年。
生きていれば彼の常連俳優でもあるベルモンドと同い年で、御年83歳。

ド・ブロカの作品の中でも特に傑作と名高い本作は、戦争と喜劇という相反する二つをメンヘルチックに融合させ、唯一無二のドタバタシュール劇に作り上げてしまった渾身の反戦コメディ映画です。

戦争の愚かさを痛烈に風刺した作風はド・ブロカ&ブーランジェの名コンビが手掛けた脚本により、魅力溢れるキャラクターとユーモアに富んだ展開を次々に繰り出します。
ちなみに私の父親も当時劇場で観賞して以来、ド・ブロカ作品にハマっていたらしい。

舞台は第一次世界大戦中、ドイツ軍がフランスへ侵攻した西部戦線付近の村。
ざっくりあらすじを掻い摘むと、北フランスの寒村に時限爆弾を仕掛けたドイツ軍は早々に撤退し村民も全員避難した結果、村は取り残された精神病患者たちの遊び場と化すことに。
そこへ爆弾処理の命令を受け、単身乗り込んだイギリス兵プランピック(アラン・ベイツ)が一大狂騒に巻き込まれていきます。

破壊と殺戮の限りを尽くす戦争従事者の狂気。
一方、精神病院で平穏な生活を送ってきた狂人たちの正気。
そのジレンマの中で主人公が導き出した答えとは…。

ドイツ人をとことんこき下ろし、イギリス人をやんわり小バカにする所なんかがいかにもフランスらしい。
そしてヒロインのコクリコちゃん可愛い。好き。
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