Yutaka

プッシャー3のYutakaのレビュー・感想・評価

プッシャー3(2005年製作の映画)
4.6
プッシャートリロジー最終章にして最高傑作ではないだろうか。最も暴力的で最も哀愁に満ちている。
1.2では若者の衝動を描いているのに対して今作は裏社会における中年の危機だ。元々、怒ると怖いけど、根は優しくて下手な料理を自分で部下に振る舞うようなミロのキャラクターが好きだったから、最終章で掘り下げられて良かった。
今作では娘や取引先の若者に振り回されてほぼパシりみたいな感じになってフラストレーションが溜まるミロ。結局辿り着くのは薬物と暴力。1のラストが絶望で2は少し希望が見えた。今作では再び絶望に帰る。
愛情を注ぎ甘やかして育てた結果、クズになってしまった一人娘とかつて遊んだであろうボロボロのプールを見下ろしてタバコを吸う哀しげなミロのラストショットはプッシャートリロジーのラストに相応しい素晴らしい終わり方。
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