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メイジーの瞳のellecinemaのレビュー・感想・評価

メイジーの瞳(2012年製作の映画)
3.7
よく出来ているし、いい作品であること自体は間違いないと思うけど、それ故少々キレイにまとまり過ぎている嫌いを感じたのも確か。
この作品の最重要ポイントは兎にも角にもメイジーの可愛さは無敵であることとそのスタイリングがことごとくお見事であることかな。もし女の子がいるのなら、こんな服を着せられたらなという夢想をしてしまうほど。
印象に残ったシーンは、帰るところのない一夜を過ごすベッドで劇中たった一度だけメイジーの涙が頬を伝う場面と、「メイジーが知ったこと」というタイトル通りの象徴的なシーンなのかもしれないけど、子供が次の成長段階に入ったことを示すような、自分の意思で大人の都合よりも自分の気持ちを選択する場面。
子供も大人も上下なんてないのに、大人はどうしても自己都合を正当化してしまうし、彼らだけでなくそんな社会構造にも考えが及んでしまう、わかりやすくもしみじみとさせられる深い佳作。
刺激ばかりを求める向きにはオススメというわけにはいきませんが、じっくり沁み入る作品との出会いに前向きな方にはぜひオススメしたい作品でした。
(2014/03/02 シネマライズ)