EugeneHashimoto

朝食、昼食、そして夕食のEugeneHashimotoのネタバレレビュー・内容・結末

朝食、昼食、そして夕食(2010年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

爽やかなタイトルとポスターからは想像もできない苛烈なまでの居心地の悪さ!疎外感!後半はさほどでもないけども、「昼食」パートはもう観てて胃に穴が開きそうだった。

これがどうでもいい適当な食事だったらまだ多少気が楽だったのかもしれないけど手間ヒマかけてきっちり準備した食事なだけに痛々しさが倍増していて、大きいワイングラスの佇まいまでもが惨めに見える。

年の差カップルの女性のほうが「バルセロナに移る」というくだりがあったので地図をみてみたらほんとに真反対、青森と山口みたいなかんじだった。

食を題材にした作品では敵対関係にある人々が同じ食卓を囲むことによって和解する的な話の運びが定石のように思うけど、そうではなくて、食を共にすることが炙り出す鬱陶しい人間関係とかをストイックに写しとろうとする態度、それで一本映画撮っちゃろうというガッツに素直に感心した(これは《プラットフォー厶》でも同じようなことを感じた)。結末としてはそこまでギスギスせずきれいにまとまるけれども、このハッピーめなエンドに食の功労はあんまりない(夕食で死ぬ人まで出てくるし、食に対する眼差しは終始冷たかったと思う)。
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