賽の河原

きっと、うまくいくの賽の河原のレビュー・感想・評価

きっと、うまくいく(2009年製作の映画)
4.6
素晴らしくよくできているw
友人でこの映画がすごく好きな人がいるんだけど、インド映画とか見たことないし、なんかジャケットのルックもふんわりしてるしで、サブカル系なふんわり映画なのかなと思って敬遠していました。
この映画の肝要な点はまず「とてもくだらない」ってことですよね。ギャグとかそういうのがもう全編通して「くだらねーなー」って感じなんだけど、それゆえ笑えるというw
話の筋としては2つあって、「いまを生きる」的な抑圧的なエリート学校でゴタゴタするという筋と、「その学校で俺たちに凄く影響を与えてくれたアイツはいま...」を追うロードムービー的な筋。
そのなかで約3時間という長さに詰め込まれたテーマとエモーションの密度が圧巻。
どの展開にもカタルシスがあるし、伏線や演出の回収もお見事。
「そんなんありかよ」って展開もあるんだけど「まあインドだしそれくらいあるやろ」とかいう謎のエクスキューズで乗り越えて観てしまうという観客の姿勢すらも相対化して論ずるに値しますわw
語り手の一人称にナレーションで過去を回想しつつ話が進みながらも笑いもあり、長い話を長く感じさせない編集はスコセッシの映画のようでした。
賽の河原

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