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きっと、うまくいくのprocerのレビュー・感想・評価

きっと、うまくいく(2009年製作の映画)
4.0
 おそらく記憶にある限り食わず嫌いだったインド映画、初の鑑賞です。
「ムトゥ・踊るマハラジャ」などで有名にもなり、本数でも随一というインド。
カースト制度やカレー、ガンジス川などぱっと思い浮かぶキーワードは
たくさんありますが、映画となると踊って歌うイメージしかありません。
本作は、バカバカしいながら、ほっとする作品という感想を耳にしました。
タイトルは「きっと、うまくいく」
私も今、心がキビシイ状況にあるので、元気になるような作品が観たかった、
まさに、それを求めている方にはぴったりの作品です。
舞台はインドでNO1の工業大学。卒業すればエンジニアになれる・・・
エンジニアという職業が、日本でいわれる弁護士や医者のような
地位のある職業としてこの映画では一貫しています。
さすがは50万円で自動車を作った国!
今のインドは技術者こそ国の宝なわけですね。
学長は技術社会こそ、わが校こそというメンツとそれに伴う腕も持った人物。
ここらへんが、日本の学園ドラマと違うところですね。
規律やワードを重要視し、それに従う学生を送り出し、
よい成績こそがよい社会を作ると信じています。
 物語の主人公は、そんなものはすべて無視!
はちゃめちゃな行動で騒ぎを起こす3バカのリーダーたるランチョー!
自我をしっかりと持って、それに伴う才能を持った人物です。
学校を卒業して10年、卒業後行方がわからなくなっているランチョーの
噂を聞いた3バカの残り2人が、彼を探しに出るところから始まります。
まぁ、ありがちなバカっぽいコメディタッチで始まりますが、
あまり見たことのないインドの社会を垣間見ながら、
うーまくいくー!(All is well)と唱えながら自らを鼓舞する
破天荒なランチョーに引き込まれていきます。
このランチョーを演じる役者が素晴らしい!「ガタカ」の
ジュード・ロウを彷彿とさせる涼しい瞳が印象的です。
そして主軸となる3人をはじめとするキャラクターが、時折流す涙。
その自然なこと。徐々に引き込まれ一緒にほろっとしてしまいます。
姿を消したランチョーの謎から、学生時代の話を主に物語は進みます。
上映時間なんと3時間!最近の作品は90~120分がほとんどですから、
かなり長いはずですが、ふれこみ通りその長さを感じさせません。
インド映画らしいあの踊りと音楽もありますが、
それも込みで是非ご覧になってみてください。
All is well!うーまくいくー!と心に刻まれると思います。
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