【第39回カンヌ映画祭　短編パルムドール】
『ピアノ・レッスン』ジェーン・カンピオンがカンヌの短編パルムをとった作品。

このときからカンピオンはカンピオンだった。どうしても性と結びつけずにはいられない作家性なのかな。

実際の若い夫婦と幼い息子のいざこざを不思議な緊張感で描き出す。オレンジをむいて真ん中に指をぶっさす息子、オレンジの皮を地面に落とす女…家族の不和とともに性の匂いも確かに感じる。

• #第39回カンヌ国際映画祭

短編パルムドールを受賞したジェーン・カンピオン初期の短編映画で、低予算ながら不思議なインパクトのある一幕家族ものといった様子の作品ではあるけど結局何だったのかが謎。

ハイウェイの路肩が孕む危険性と近親相姦の匂いオレンジが刻む不穏なビートに乗せて、親の正義は子の猜疑心を育む。妙に怖い。

2020-S8