スズキ

海がきこえるのスズキのレビュー・感想・評価

海がきこえる(1993年製作の映画)
4.0
普通に面白かった。
確か昔テレビで観た記憶があるけど完全に忘れてた。スクリーンで観れて良かった。

見ようによってはホラーなんだけど、それを最後まで純粋な恋愛みたいに描いているところが面白い。

かなり変なポイントついてる恋愛ものという意味では、フランスとかで受けそう。

りかこはメンヘラなんだけど、まあ家庭の複雑さを考えれば同情すべきところはあるし、最後まで全然成長しないところが普通じゃなくて良い。
今の自分の年齢から見ると、登場人物全員(大人含む)の視野の狭さとか幼さも完全に他人事に思えてかわいく感じる。逆に年齢が近い時に見たらイライラして楽しめなかっただろうな。

ゴミ捨て場で2連続で殴られるシーン、理不尽すぎて笑ってしまった。

吉祥寺、西新宿、高知と、変わったところと変わらなかったところが感じられて、しみじみしてしまった。高校生にあの頃のハイアットリージェンシーを紹介するってマジで金持ちなんだろうな。

絵柄とか公衆電話とかちょうどいい古さ。
声優の下手さも、複雑な感情を好きという言葉でしか表現できない幼さもちょうど良い。
なんだろう、全体的にちょうど良い古さなんだよな。今だから楽しめる感じ。妙にくせになるアマチュア感が全面的にある。狙ってやれることではないと思うんだけど、なんなんだ。変な豊かさがあるんだよ。りかこに対しての感情とかも正確には恋愛じゃない感じ。あるあるでもないんだよ。あんな面白いけど関わりたくはない女の子いなかったし。そういう意味では憧れに近いのかな。変で良かった。

この作品をアニメにする意味を考えてたんだけど、髪型とか服の古さはアニメだと薄まるところかな。実写だったら観てられなかったかも。その辺が良い塩梅だったし、楽しく観れた。

高校生時代に気になってた女の子をめぐる思い出。
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