おさかなはフィッシュ

TOKYO TRIBEのおさかなはフィッシュのレビュー・感想・評価

TOKYO TRIBE(2014年製作の映画)
2.5
『凶気の桜』が結構面白かったので、なんかそんな感じのやつが観たいなと思って鑑賞。したけれど、ちょっと違った。柄の悪いヒプノシスマイク的な話だった。

予備知識なしで観たら、これにも窪塚洋介が出ているのね! さらにおかしな役になっていた。けれども流石のカリスマ性と言うべきか、「おい誰か音楽かけろ、音楽!」の場面とか、このとっ散らかり具合を収束に導いてくれるのではという安堵感すらあった。

そう、必要以上に散らかっているというか「この原作でこの予算ならもう少しポテンシャルありそうだぞ!?」と思って、もどかしかった。染谷将太の独特なラップを長尺で聴かせておいてからの「アッ、主役ではないのね」とハズレる感じとか、各トライブのビジュアルにそこまで差がなくてパッとしないとか、少年少女のアクションは筋力がない分どうしても見劣りするとか、なにかと気になってしまう点が多かった。

一番ズッコケたのは、せっかく戦車に乗って来たのになぜか途中で降りて道路をチンタラ歩いているところ。エエ、どうして……。別にCGが安っぽいとかはいいのよ、左右の建物ちょっと削るくらいの熱量で行こうよ! あと、日本刀が何本も用意されているなら、一人につき一本使った方が美しい。そうやって細かいところがどんどん目につき出す……。

よかったのは美香さんがマジ美香さんだったところ。他にも有名なラッパーの皆さんが多数出演していたりするので、いわゆる素材の味を生かした調理を心がけてほしかった。まさに闇鍋。D.OさんのままのD.Oさんが、さながら泥の中に咲く蓮の花。なんだか終始もったいない印象の映画だった。



「SAGAってあの佐賀……?」と思っていると、あなたのウェアハウス!! ここで再会できるとは……。平日の夜に遊びに行くと、“浮世を忘れて”感が心地よかった。なくなってしまったのが本当に残念……。